2009年9月 のアーカイブ

SDHF Newsletter No. 18:『パル判決書』全文アップ

 『パル判決書の真実』(渡部昇一著/PHP)の英訳のアップに続き、このほど
『パル判決書』原文(国書刊行会刊)全文が、われわれのサイトにアップされ、
下記の通り、世界のマスコミ、学者、識者4000名余りに紹介されました。
国書刊行会のご好意によるものです。世界中の人がいつでもこの世紀の労作を読み、
ダウンロードすることができるようになったわけです。
 日本語訳は『パル判決書上・下』(講談社学術文庫)として刊行されていますが、
これで英文原文と対比しながら内容を検討することが可能となりました。
 先に『パル判決書の真実』(渡部昇一著)の全訳版をアップしましたが、膨大な
『パル判決書』原文を読むための参考にもなるかと思いますのでお奨めです。
 マッカーサーが上院の軍事外交合同委員会で「日本は自衛戦争」を戦ったと
言う趣旨の証言を行い、東京裁判を実質否定しました。パル判決書はそれを先取り
していたことになります。国際的な再評価がなされていくでありましょう。
                      「史実を世界に発信する会」 茂木       

SDHF Newsletter No. 18: “Dissentient Judgment of Justice Pal”

Radhabinod Pal of India was one of the eleven judges at the “Tokyo Trials”.
Of the eleven, he was the only judge who had professional knowledge in
international law. Basing his position strictly on the law and rules of
evidence, he maintained that the Tokyo Trials were in error. He wrote a
dissentient judgment, in which he concluded that “each and everyone of
the accused must be found not guilty of each and every one of the charges
in the indictment and should be acquitted of those charges.”
His judgment is very comprehensive in its historical evidentiary descriptions
and strict application of international law.
This historical document of 700 pages is now available to everyone through
our site, courtesy of Kokusho Kankokai, Inc.

Summary: http://www.sdh-fact.com/CL02_1/65_S2.pdf
Author profile: http://www.sdh-fact.com/CL02_1/65_S3.pdf
The whole text: http://www.sdh-fact.com/CL02_1/65_S4.pdf

* For an introduction of this book, “The Tokyo Trials and the Truth of ‘Pal’s
Judgment'” (by Prof. Watanabe Shoichi) is available at our site:
http://www.sdh-fact.com/CL02_1/63_S4.pdf

Any questions are welcome.

Sincerely,

MOTEKI Hiromichi, Secretary General for KASE Hideaki, Chairman
Society for the Dissemination of Historical Fact

ラダビノッド・パル博士 ― 「史実を世界に発信する会」 茂木弘道

一、 ラダビノッド・パル博士は、現在はバングラデシュ領になっているインドのベンガル地方に生まれた。インドの中でベンガル地方は特に偉人を輩出している。アジア人で初めてのノーベル文学賞を受賞したタゴール、インド独立運動の英雄チャンドラ・ボース、そしてパルと続く。一昨年西ベンガル州(インド領)のカルカッタに設立された印日文化センターの展示の中心はこの三大偉人である。再来年はパル博士生誕125周年にあたる。インド・バングラデシュの若い有志の人たちがこれを記念する事業を計画中である。
二、 1946年春、当時カルカッタ大学副学長の職にあったパル博士は、東京で開催されようとしていた極東国際軍事裁判(東京裁判)の判事を務めることを要請された。東京裁判の裁判官11名は全て戦勝国から選ばれていた。パルも当時は英国領であったインドから選ばれたわけである。11人の裁判官のうちパル判事のみが国際法の専門知識を持っており、後に国連の国際法委員会の委員長を二期務めている。パル判事は国際法の原理に基づき、そもそも東京裁判には日本を裁く権利が無いことを明らかにした。そして、1200ページを越える独自の判決書を提出し、その結論として「各被告は全ての起訴状中の各起訴事実全部につき無罪と決定されなければならない」と述べたのである。多数派の判決は日本を侵略国と断罪し、その責任者として7人に死刑判決を下した。いわゆるA級戦犯である。パル判決はこれを全面的に否定したものである。
三、 日本に好意的な判決を出してくれたことに感謝する、というある日本人の発言を聞いてパル博士は、憤然として次のように言った。
   「私が日本に同情ある判決を行ったと考えられるならば、それはとんでもない誤解である。私は日本の同情者として判決したのでもなく、西欧を憎んで判決したのでもない。真実を真実として認め、これに対する私の信ずる正しき法を適用したに過ぎない。それ以上のものでも、それ以下のものでもない。」、
四、 パル判決が正しいものあったことは、判決からわずか2年半後に証明された。東京裁判は連合国最高司令官マッカーサーの権限に基づいて行われたものであったが、当のマッカーサーが1951年5月3日アメリカ上院軍事外交委員会で「したがって彼ら(日本)が戦争に入った目的は、主として自衛のために余儀なくされたものである」と証言したのである。日本の戦争は侵略戦争ではなく、自衛戦争であると公的な場でマッカーサーは認めたということである。パル判決書こそが正しい判決であり、A級戦犯など存在しないということである。
五、 『パル判決書』を世界の人々に知ってもらうべく、発信する会では、『パル判決書』の原文(国書刊行会刊)全ページをサイトにアップした。インド・バングラデシュの若い有志の方たちとも協力しながら、この判決書の意味、そして判決書自身を世界の心ある人たちに伝えて行きたいと考えている。
(9.9)

国策を誤ったのは、「村山談話」である ―「史実を世界に発信する会」 茂木弘道

 田母神論文は「日本は侵略国ではない」といったのが国家の方針に反するとして、田母神空幕長は更迭された。その国家の方針とは何かというと「村山談話」だというのだ。そんなご立派な談話なのかというと、実は幼稚な日本悪者という思い込みの思想を告白したものであり、国際法を無視した代物なのだから呆れたものである。
 「村山談話」は平成7年8月15日に終戦50周年の節目に出された総理大臣談話である。社会党出身の村山富市総理は戦後一貫して安保条約・自衛隊を否定していたのであるが、自社さ連立政権の首班に担ぎ上げられた途端に、それまでの主張を転換させた男である。軍曹として戦争に行っているときには侵略戦争などとはつゆ思わずまじめに戦い、戦後はアメリカ占領軍の宣伝を真に受けてあっという間に日本侵略論者になり、そして今度は安保・自衛隊肯定に変身した男が出した談話が今でも国家方針であるというのである。
では何を言っているのかというと、「来し方を訪ねて歴史の教訓に学び」といった上で、「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を進んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くに国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました・・・ここに改めて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明します。」というのである。
大東亜戦争は占領軍指令官マッカーサーがアメリカ議会で公式に証言しているように「日本が戦争に飛び込んで言った動機は大部分安全保障の必要に迫られて」のことだったのであり、自ら「戦争への道を進んだ」わけではない。いつどこでどんな国策を誤ったのか、記者の質問に村山総理は答えられなかったそうである。要するに日本が悪かった・侵略したとの幼稚な一方的な思い込みに過ぎないのだ。植民地支配と戦争とは別のことである。台湾・朝鮮は植民地ではあったが、大東亜戦争とは無関係のことである。中国とは戦争をしたが、合法的に駐屯していた日本軍に一方的に攻撃を仕掛けてきたのは中国の方である。痛切なお詫びは中国の方にしてもらいたいくらいである。東南アジア諸国は米英蘭の植民地だったのであり、日本軍は植民地支配者と戦ったのである。結局は日本軍のお陰でこれ等の国は植民地支配から解放されたのである。
 国際法によれば講和条約によってすでに戦争についての最終的な決着がついている。にも拘らず50年も前のことを改めて謝罪をすることなどというのは国際法に無知な愚行である。こんな馬鹿なことをするから、国際法を無視して今でも過去の補償を居丈高に要求し、何かといえば日本を脅迫する手段として過去の戦争を持ち出す国がでてくるのである。かてて加えて、ありもしない従軍慰安婦糾弾などもやるところが出てくる。こんな無法を引き起こす「村山談話」こそは国策を誤った最たるものである。速やかに破棄すべき「日本の恥」談話である。
(9.01)