「アメリカの鏡・日本」(新版)ヘレン・ミアーズ著、伊藤延司訳、角川学芸出版、2005年6月発行、古書あり

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著者は1900年(一説には1898年)生まれの東洋学の研究者。日本占領連合国軍(GHQ)の諮問機関「労働政策11人委員会」のメンバーとして来日し、戦後の日本の労働基本法の策定に携わった。
本書は1949年、GHQ最高司令官ダグラス・マッカーサーが日本での翻訳出版を禁じた書(原著は1948年に出版)。日本に滞在経験のある東洋学の研究者による書とはいえ、戦後3年しか経っていない時点で書かれたにしては著者の歴史を見る眼の確かさを知らされる書物である。日本に対する記述には必ずしも同意できない点も含まれてはいるが、著者がその後の歴史研究の進展によるいくつかの史実を知れば、より完璧なものになっていたことだろうと思う。著者はたんねんに史実をたどりながら、本書で連合軍、特にアメリカの政策の矛盾を赤裸々に指摘して、今後のアメリカが再度、政策を誤ることの危惧を表明している。基本的に、反省を込めてアメリカ人のために書かれた書物である。
同一訳者の抄訳版が2005年6月、角川書店から新書で発行されている。

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