「日本を呪縛する「反日」歴史認識の大嘘」黄文雄著、徳間書店、2012年11月発行、¥667+税



著者は1938年、台湾生まれ。1964年来日。著名な評論家。
本書は、著者がすでにさまざまな著書で述べている日本の近現代史(明治維新から日韓併合、満州国建国、台湾領有、大東亜戦争まで)の史実をまとめたものである。近年の中国、韓国による反日歴史史観、というよりも、史実を無視したゆすりたかりの「中華史観」と同調して日本を貶め、弱体化させようとしている日本の政治家、官僚、マスコミ、学者、文化人などの欺瞞を排して、日本人に史実を理解し、自国に対する誇りを持ってもらうことを目的として書かれたものである。彼らは「息を吐くように嘘をつく」(朝鮮日報、2010年2月2日)。そのことを弁えた上でうまく利用できないのであれば、かって福沢諭吉が喝破したように、日本は中国・韓国という「アジアの悪友どもとは絶交すべき」である。「諸々の愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬すること、――これがこよなき幸せである」(「ブッダのことば」中村元訳、岩波書店)。
目次を紹介しておくと、
序 章 日本人を貶める「反日」歴史認識の嘘
第一章 世界を変えた日本の近現代史
第二章 朝鮮半島を救った日韓合邦
第三章 「王道楽土」を実現した満州国の真実
第四章 日中戦争の真の被害者は日本だった
第五章 台湾に根付いた日本精神
第六章 大東亜戦争が果たした歴史貢献
終 章 歴史捏造への逆襲
「歴史を政治の道具ではなく、良心と良識を持つ者がグローバルな歴史の流れから見たならば、日本が近代世界に果たした歴史貢献はいくら評価してもしすぎることはないほど明々白々である。中韓は、今までの歴史捏造と歪曲を反省する必要があり、逆に日本に謝罪し、感謝しなければならい。・・・日本は開国維新以来、万国対峙の局面、アジアの植民地化の情勢のなかで、ただ一人自存自衛のため、あるいは東アジア防衛のため、孤軍奮闘を繰り返し、超大国が仕掛ける戦争を戦い続けてきたのだ。それを「悪」と見なす東京裁判史観こそ、アジア侵略を行った欧米列強の史観であり、いわば侵略者の侵略正当化史観である。あるいは同じアジアの国家でありながら、アジア解放など一切念頭にも置かず、つねに東アジアの騒乱の元凶であり続け、挙句の果てには欧米侵略者に荷担した中国の歴史観でもある。・・・戦争責任を追及するなら、このようなアジアの(註:というよりは人類の)敵だった国々に対して行うべきなのだ。」(終章)
「日本が悪かったことといえば、こうした国々に敗れ去ったことくらいだ」(同)―これが著者の結論である。

コメントは受け付けていません。