著者は1969年、熊本県生まれ。東京都立大学経済学部卒業。外資系IT企業、NEC、日本IBMなどに勤務後、中小企業診断士として独立。ネット出身の異色の経済評論家。
日本は輸出依存度も輸入依存度も約10%、ヨーロッパの主要国、ロシア、韓国、中国よりはるかに低い。中国・香港向けの輸出額は日本のGDPのわずか2.79%、輸入額は2.44%、たとえ中国・香港との貿易が途絶しても日本のGDPの約0.35%が減少するだけである。日本の対中直接投資残高は約550億ドル、主要国向け全直接投資残高の7.4%である(対米が約31%、西欧が約24%)。GDP比にすると1%強である(2009年)。中国は日本から資本財(製造装置や主要部品など)を輸入して工業製品を製造し、最終消費地へ輸出している。日本が中国から輸入しているのは農業製品などの代替の効くものばかりである。レアメタルなど、世界中のあちこちにある(中国の埋蔵量は世界の30%程度しかない)。つまり、日本経済は中国に依存しているわけではないし、むしろ、さまざまな要素を考えれば、中国は日本にとって存在しなくても良い国である。というより、存在しない方が良い国である。
さらに、中国は国際人権A規約を批准しているにも関わらず、2008年4月1日には「中国民事訴訟法231条」(後述)という法律を施行し、どんな不当な判決であっても債務が認定された場合、支払いが完了するまでは関係者の出国を停止できるということにした(単に観光目的で入国していても、どこでどんな言いがかりをつけられるか分からない)。本書で著者と対談している日本企業の方はその不当・異常さを強く非難していて、言い分は当然であるが、もともとは日本人の中華人民共和国に対する認識が誤っているからに過ぎない。中華人民共和国は我々普通の日本人が考える国家ではない。匪賊集団である中国共産党が武力で中国本土と周辺国を征服し、法治国家の体裁を装った暴力団グループにほかならない。この企業人は自分の経験から、95%の中国人は金のためなら平気で不当・違法なことをすると言っている(ただし、5%は良い奴だと)。そのような、いつ何が起こっても不思議ではない「国」へ進出・投資する日本の企業人が異常なのである。日本は戦前、中国・アメリカから不当なケンカを吹っかけられて、朝鮮・満州へ投資した膨大な資産をみな盗み取られたのをよもや忘れたわけではあるまい。民族の性格というのは、そう簡単に変わるものではない。日本は戦後、中共の「舌」と化したマスメディアだけでなく、政府もこぞって「戦前、日本が朝鮮・中国を侵略した」などというフィクションで国民を教育したため、多くの戦後の日本人の朝鮮(韓国)や中国を見る眼が曇っているのである。多彩な現場経験によるためか、ひたすら観念的で支配欲と名誉欲の権化のような学者や「小金稼ぎの」TVコメンテーターとは異なり、著者の歴史を見る眼は確かで、数々の実データに基づいて示される中国経済の実態分析は信頼できる。
韓国も中国と似たようなもので、韓国はミニ中国と思えば良い。朝鮮半島も日本にとっては存在しない方が良い地域である。明治18年に「時事新報」社説に発表された「脱亜論」、すなわち、「悪友を親しむ者は共に悪名を免かる可らず。我は心に於て亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」を玩味して、日本は中国・朝鮮と距離を置くべきである。間違っても、これ以上、彼らを助けてはならない。助ければ助けるほど、彼らは日本にとっての災厄の原因となる。なお、著者には、
「日本経済は、中国がなくてもまったく心配ない」、ワック、2013年3月発行、¥980(税込み)
「いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由」、ワック、2013年1月発行、¥980(税込み)
「図解 それでも、日本経済が世界最強という真実」、ワック、2012年5月発行、¥980(税込み)
「だから、日本経済が世界最強というこれだけの理由」、ワック、2013年5月発行、
¥980(税込み)
「これが日本経済<<世界「超」最強>>の仕組み」、ヒカルランド、2013年2月発行、¥1,680(税込み)
などの類書がある。
註: 中国民事訴訟法231条
被執行人が法律文書に定めた義務を履行しない場合、人民法院は出国制限をし、或いは関係部門に通達をして出国制限を協力要請することができる。
―司法解釈規定
出国制限される者の具体的範囲としては、被執行人が法人或いはその他の組織であった場合、法定代表人、主要な責任者のみならず、財務担当者等債務の履行に直接責任を負う者も含む。