「世界 全戦争史」松村つとむ著、エイチアンドアイ、2010年11月発売、¥15,750(税込み)

著者は陸上自衛隊出身の軍事研究家(故人)。二千数百年にわたる人類の全戦争の歴史について記述した研究書。原始仏典を読めば、人間の本質は二千数百年昔も現在も少しも変わらないことに気づかされるが、戦争の絶えることの無いのが人間世界であることを本書は事実を以って証明している。戦後の日本には、日本が軍備の増強さえしなければ戦争は起こらない、今後日本が侵略されることも無い、というような何の根拠も無い神話や空想、平和信仰が、日本を弱体化させようとする左翼や反日勢力によって意図的に広められているようですが、これほど危険なことはありません。人間という生き物は、全体としてみれば善よりも悪の要素の方が勝っている生き物です。戦争より平和の方が大切なことは議論の余地がありませんが、その大切な自国の平和を守るためには、常に戦争に備え、他国からの侵略に対する十分な警戒を怠ってはならないことを本書は暗に教えています。類書のほとんど無い大作です。

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