著者は1974年、山口県生れ。月刊「農業経営者」副編集長。本書で、政府の農業政策のデタラメを暴いている。戦後、ほとんど一貫して日本国政府の農業政策は必ずしも農民のための政策でなかったことは、筆者のような農村出身者には自明のことだが、その根本には農水省を始め農業関係に寄生する集団の利益擁護の意図が存在していることが良く分かる。日本の官僚制度の悪しき側面が現れている分野の一つである。政策しだいでは日本の農業産業は、十二分に世界に伍していける成長産業であることを著者は強調している。産業構造がどのように変化しようが、食(農)が国家の礎の一つであることに変わりはない。