著者は台湾出身の高名な文明評論家。縄文時代にまで遡りうる古代から現代にまで続く日本人の特質を、主として16世紀に西欧が日本と接触を始めたころからの訪日外国人による日本および日本人評を分析することにより明らかにしている。文明や国民性の特質は異質の文明や国民との比較によってのみ際立つものであり、外国出身である著者による分析は鋭く、類書とは一線を画している。過去の著名な訪日外国人による記録・見聞録を渉猟し、五つの観点(日本人の不屈の精神、美徳、勤勉、美意識、武士道精神)から日本と日本人とを論じている。本書にも述べられているように、文明や国民性というものは簡単に変化するものではなく、シナの共産党独裁政権や韓国・朝鮮政府のウソで固めた主張(捏造史観)がいかに滑稽なものであるかの傍証にもなっている。大虐殺や略奪を繰り返してきた歴史を持つシナ大陸の政権は「日本軍による南京大虐殺」を発明し、長い献女外交の歴史を持つ韓国・朝鮮は売春が違法でなかった時代の単なる民間の売春グループである慰安婦を騒ぎ立て、戦時中の法律に基づき日本本土で実施された女子勤労動員である女子挺身隊にならって工場や農村で働いた韓国・朝鮮人の「女子挺身隊」までを「性奴隷」と詐称する。お里が知れるというか、捏造するにしても他人のウソ(戦後の反日日本人や国賊的な日本の政治家による捏造)を利用するにしても、自国の歴史や経験、自民族の習性によってしか発想できないというのは、何とも哀れで滑稽な話である。
ちなみに、中国の共産党独裁政権が主張している南京大虐殺に関する内容は中国自身が南京事件(1927年)・済南事件(1928年)・通州事件(1937年)などで日本人居留民(在留邦人)に対して行ったことであり、現在、韓国が主張している従軍慰安婦に関する内容は朝鮮戦争のとき韓国自身と米軍とが行ったことである。中国・韓国の独立記念館のような他国に罪悪を転化する創作は日本人には考えも及ばず、かえって彼らの指導層の狡猾さと残虐性を露にしている典型である。
註:本書の続編として、より個人に光を当てた“「世界から絶賛される日本人」徳間書店、2011年12月発行、¥1,050(税込み)”が出版されている。なお、著者には、“「命がけの夢に生きた日本人」青春出版社、2006年3月発行”という著書もある。
本書と類似の書物に、呉善花著、「なぜ世界の人々は「日本の心」に惹かれるのか」(PHP研究所、2012年7月発行、¥1,680)がある。