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「中国共産党 野望と謀略の90年」雑誌「正論」別冊15、産経新聞社、2011年6月発行、¥1,000(税込み)


国際共産主義組織(コミンテルン)と中国共産党の歴史・陰謀などに関する特集号。戦後70年近くになる現在、共産主義独裁国家として生き残っている唯一の大国である中国(共産党政府)の実態と恐怖や共産主義の戦争責任を特集している。共産主義の最大の恐怖は人間の自由の抑圧にあり、自己の側にのみ正義があるとして他者の生存権を認めないその独善性にある。共産主義が20世紀以降、人類にどれほどの惨禍をもたらしたか、「共産主義黒書-犯罪・テロル・抑圧-<ソ連篇>」(恵雅堂出版、クルトワ・ヴェルト著、外川継男訳、2001年11月発行)や「共産主義黒書-犯罪・テロル・抑圧-<コミンテルン・アジア篇>」(恵雅堂出版、クルトワ・ステファヌ他著、高橋武智訳、2006年7月発行)などを読めば明らかで、身の毛もよだつ思いがするのは何も虐殺の文化を持たない日本人だけに限るまい。「戦争と革命の世紀であった20世紀、ナチズムの犠牲者2500万人に対し、共産主義による犠牲者はソ連で約2000万人、中国で6500万人、ベトナム100万人、北朝鮮200万人、カンボジア200万人、全世界では合わせて1億人を数える(前掲書のAmazonの内容紹介より)」という。
本書の中の小堀桂一郎東京大学名誉教授の論文、「共産主義の戦争挑発を隠蔽した東京裁判」は、1951年5月3日の米国上院軍事外交合同委員会の公聴会に於けるマッカーサー証言「太平洋に於いて米国が過去百年間に犯した最大の政治的錯誤は、共産主義者が支那で強大な力に成長するのを許してしまったことだ、といふのが私個人の見解である」を紹介しており、藤岡信勝拓殖大学客員教授の「日中戦争を始めたのは中国共産党とスターリンだ」と江崎道朗日本会議専任研究員の「アメリカを巻き込んだコミンテルンの東アジア赤化戦略」(英訳は「掲載文献」参照)とは、共産主義者が中国やアメリカのルーズヴェルト政権中枢部へ深く浸透して起こしたのが日支事変から日米戦争に至る日本つぶしであったことを実証的に追求している。当時のルーズヴェルト政権内への共産主義者の浸透については、“「ヴェノナ」PHP研究所、J.E.ヘインズ&H.クレア著、中西輝政監訳、2010年2月発行、¥3,200(税別)”に詳しい。
他の論文には当時の日本の上層部への共産主義の浸透も論述されており、まさに20世紀は共産主義の幻想と害毒が世界を覆った時代であったとも言える。そして現在もなお、アジアを中心として共産主義の残存勢力との戦いは続いていると言ってよい。特に中国では中華思想と共産主義とが合体していて周辺民族への侵略・虐殺・抑圧には凄まじいものがあり、その記録は以下の著書などに詳しいが、普通の日本人の感覚からすれば中国人(漢民族)というのは血の通った人間ではないのではないかと思わせるものがある。日本軍による「南京大虐殺」を捏造することなど何でもないことなのであろうが、自身が行った悪事を他に転嫁することは、行った悪事以上に罪深いことである。現在の中華人民共和国という“国”は、中国共産党という匪賊集団がシナ本土、満洲、内モンゴル、ウイグル、チベットを武力で占拠して“国家”を詐称している私的集団(地域)である。その証拠に、中国共産党という私的集団を守る暴力装置である人民解放軍を有してはいても、中華人民共和国という“国”の軍隊は存在しない。日本はこういう無法者の“国”とは緊密な関係を保つべきではない。
・「中国の狙いは民族絶滅―チベット・ウイグル・モンゴル・台湾、自由への戦い」林建良、テンジン、ダシドノロブ、イリハム・マハムティ共著、宝島社新書、2009年3月発行、¥1,575(税込み)
・「中国はいかにチベットを侵略したか」マイケル・ダナム著、山際素男訳、講談社インターナショナル、2006年2月発行、¥1,890(税込み)
・「殺劫(シャ・チェ)チベットの文化大革命」ツェリン・オーセル、ツェリン・ドルジェ、藤野彰、劉燕子共著、集広舎、2009年10月発行、¥4,830(税込み)
・「墓標なき草原-内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録」(上)(下)(続)、楊海英著、岩波書店、各2009年12月、2011年8月発行、¥3,150、¥3,360(税込み)
・「7.5ウイグル虐殺の真実―ウルムチで起こったことは、日本でも起きる」イリハム・マハムティ著、宝島社新書、2010年1月発行、¥680(税込み)