‘会員の主張’ カテゴリーのアーカイブ

ならずもの経済大国   「史実を世界に発信する会」茂木 弘道

2011年1月31日 月曜日

一、 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンが中国の対日レアアース禁輸措置に関して昨年、ヘラルドトリビューン紙(10月19日付け)に寄稿し、「これはWTO違反であり、世界が合意したルールを守らず人民元を不正にやすく操作する中国は「ならず者経済大国」だ」ときめつけた。もっとも今頃そんなことを言い出すのはちょっと甘いのではないかと言いたくなる。これまで「ならずもの」を放置してきたからである。

二、 その最たるものは、人民元の自己中的な大幅切り下げである。最近人民元を一定の範囲で変動を許し、結果として20%ほど切り上げたのであるが、これはとても国際相場を反映したものではなく、中国政府の不正操作は明らかである。クルーグマンもそれを指摘しているのだろうが、どっこい中国の人民元不当操作は、その程度のものではないのである。次の数字を見てほしい。

                80年=100 90年=100
1980年 1ドル=1.53元     100
1990年 1ドル=5.22元      29     100
1995年 1ドル=8.31元      18      56
現在    1ドル=6.60元      23      79

三、 このように、1980年の頃は、人民元は1ドル1.53元という今からでは考えられない高いレートであった。元は中国人民の勤労によって支えられている世界で最も安定した通貨である、などとほらを吹いていたくらいである。しかし、改革開放・市場自由化政策を進めると人民元の過大評価に直面し、何と71%切り下げて、5.22元としたのである。競争相手である、東南アジア諸国等の低賃金国に対する強烈なパンチとなった。当時は中国自体の生産能力がそれほど大きくなかったので大きな問題とはされなかった。しかし、中国は1995年、さらに一方的に37%の切り下げを行い、8.31元とする。これは東南アジア諸国には大打撃となった。1997年から始まるアジア通貨危機は、ヘッジファンドの通貨操作が悪者として非難されたが、実はより根本的な理由は中国のこの大幅元切り下げにあったのである。

四、 80年代からすると18%という超低レートに強引に切り下げるという自己中的「近隣窮乏化」政策によって、輸出の大発展を遂げ、遂に世界一の外貨保有国家になりあがった。これを「中国モデル」などと得意になっているが、なんのことはない「ならず者モデル」にほかならない。元を以前の1.53に戻せとまでは言えないにしても、1990年切り下げ時の5.22までは戻せ、とくらいいうべきではないのか。20%強切り上げるとそうなる。それすら言ってないのがアメリカである。アメリカも、世界も日本も中国に甘すぎたつけを目下払いつつあるという事である。

「外国人参政権」を当然と考える議員がなぜ多いのか― 「史実を世界に発信する会」 茂木 弘道

2011年1月6日 木曜日

一、      「外国人参政権」は日本国憲法にすら明らかに違反している暴論である。その第一五条には「公務員を選定し、及びこれを罷免することは国民固有の権利である」と明記されている。地方参政権はこれに当てはまらない、などと解釈される余地もゼロである。にもかかわらず、民主党、社民党、公明党の議員のみならず、自民党にもこれを支持する議員がかなり存在する。不思議なことに、憲法護持派の議員にこの主張をするものが多いということだ。これは一体どういう事なのか。

二、      こんな奇妙奇天烈な考えが広まっていったのには実は「教科書」が果たした役割が大きいのである。小山常実教授の近著『公民教育が抱える大問題』(自由社)にそのからくりが明かにされている。

1)      昭和40年に出版された朴慶植著『朝鮮人強制連行の記録』は事実捏造に満ちたトンデモ本というべき内容のものであるが、左翼の間に広がり、いつの間にか歴史学者の間に定着してしまうようになった。そもそも日本人にも適用された「徴用」を「強制連行」などと称することが基本的に間違っている。

2)      昭和53年以降の歴史教科書には何と70万強制連行説が堂々と記述されるようになったのである。

3)      強制連行説が歴史教科書で広まったのを受けて今度は公民教科書がさらなる歪曲を重ねる。平成五年度版以降の公民教科書は、在日韓国・朝鮮人は強制連行されてきた人たちの子孫であると記述するようになったのである。

4)      公民教科書では人権・差別について強調する傾向が強まっているが、平成九年度以降「平等権」の例として在日韓国・朝鮮人差別の問題を大きく扱うようになり、参政権を与えないのは差別であると位置づけるようになるのである。現在では扶桑社版の公民教科書以外ではこう主張されているのである。

三、      要するに、公民教科書は在日に参政権を与えないのは差別だと説いているのである。従って、教科書の説を鵜呑みにしてよく勉強してきた学校優等生の議員は、外国人参政権を当然のこと、正しいことと考えているわけである。また日本国憲法護持派は「人権」第一派でもあるので、実は憲法大違反という事も忘れて(理解せずに?)外国人参政権に賛成しているというわけである。

四、      教科書は全く間違っている。強制連行など存在しないし、更に徴用で日本に来た朝鮮人で昭和34年時点で残っていた人も245人に過ぎなかった(平成22年衆議院外務委員会で確認されている)。ほとんどの在日は「望んで」日本に稼ぎに来た人たちの子孫なのだ。贖罪意識を植え付ける「強制連行」などという虚言、さらに在日がその子孫だなどとウソを書く教科書を許してはならない。こんなウソにだまされて愚かな主張をしている議員諸君は猛省すべきである。