あらためて、日本を誇りたい  加瀬英明

2011年4月1日 金曜日

 巨大地震による犠牲者を悼むとともに、被災者を救援するために、できるだけ努め
たい。

 今回の天災は国家的な試練であるが、日本国民の精神性がきわめて高いことを、世
界へ向って示した。

 未曽有の天災であったのにもかかわらず、日本国民がいささかも規律や礼節を失な
うことなく、沈着に行動していることに、中国や、韓国も含めて驚嘆し、称賛してい
る。

 他国であれば、人々が平常心を失って、商店を襲って略奪が頻発するなど、治安が
大きく乱れるものである。

 私は今回の巨大地震によって、日本人が古来から受け継いできた、和の精神を失う
ことなく、保ち続けていることに、そのような精神文化をつくってくれた先祖に、あ
らためて感謝した。

 この和の心は、独特なものだ。そこから規律が発し、自制心、克己心、利他心、同
胞愛が生まれる。和の心は世界のなかで、日本人だけが持っている。

 日本人の高貴な精神は、先人たちの贈物である。日本国民は六十六年前に敗戦によ
る廃墟から雄々しく立ち上がって、短期間で復興を成し遂げて、世界第二位の大国の
地位を獲得した。私は今回も天災を乗り越えて、この国を見事に再建することを、確
信している。  

 私は今回の巨大な震災が、日本に対する天の鞭ではないかと思った。

 あのような巨大な地震に遭遇した時には、人は自分しか頼れない。日本国民の大多
数が公共のサービスや、福祉や、公的なさまざまな援助に依存してきた。国民が国に
対して過剰な依頼心を、もつようになっていた。

 そのなかで、日本国民の依存症がもっとも目に余るのは、国防をアメリカに委ねて
いることだ。一国の運命を、外国人に預けてはならない。日本は自立心を欠いた擬似
国家だ。

 菅首相ははじめ五万人の自衛隊員を投入することを決めたが、十万人に増した。自
民党政権時代から防衛予算と自衛隊の定員を削減してきたから、今日では陸海空自衛
隊を合わせて、実質二十四万人しかいない。自衛隊の本来の任務は、国防に任じるこ
とにある。十万人も災害派遣に投じたら、国防が成り立たない。

 巨大地震によって目を奪われているが、中国の脅威が減じることはない。羅災地の
復興に必要な資金を投じるのとともに、防衛予算を大幅に増額するべきだ。

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