『中国大虐殺史』(石平著)ー  「史実を世界に発信する会」   茂木弘道

2010年6月1日 火曜日

一、      中国の歴史に造詣の深い石平氏が著した『中国大虐殺史』―何故中国人は人殺しが好きなのか―(ビジネス社刊)は、中国というものを知る上で、貴重な知識を与えてくれる書である。一言でいえば、虐殺は「中国文化」の一部であるということである。秦帝国以来中国の歴史において繰り返されてきた大虐殺がどのようなものであったのか、漢、南北朝、明、清における代表的な虐殺事件が説明されている。さらに問題なのはこの伝統は近代そして現代の共産党政権になっても変わることなく繰り返されているという事である。特に毛沢東は自己の権力奪取とその維持のために、大々的に虐殺を実行してきたことが詳しく述べられている。「天安門虐殺」、チベット虐殺、ウイグル虐殺は例外でも何でもないことを理解すべきである。

二、      一九三七年一二月に日本軍が中国の首都南京を陥落させたときに起こったとされる「南京大虐殺事件」は実は存在していなかった。当時世界で最も権威ある英文中国年鑑『チャイナ・イヤーブック一九三八年版』(上海で英国出版社刊)には、一二月一三日、日本軍南京占領、一二月一七日、日本軍入城としか書かれていない。同年鑑に「南京暴虐事件」として書かれているのは一九二七年三月一三日に北伐中国軍が起こしたものである。なぜ、一九三七年南京占領時にはそんな記述がないのか。虐殺など無かったからである。当時中国政府が日本軍の「南京大虐殺」非難をしていた、と錯覚する人がいるが、中国政府は当時ただの一度もそんなことを言っていない。漢口で外国人記者を集めて、三〇〇回も記者会見を開いて日本非難を行っていたのにも関わらず、ただの一度も南京で日本軍が市民虐殺をしたなどという事を発表していないのである。

三、      このように全く存在しない「南京虐殺」が、中国政府の宣伝にかかると、身の毛のよだつ虐殺物語となる。片っぱしから殺戮し、目をくりぬき、腹をえぐり、陰部をえぐり、などなど、惨い話であるが、しかしこの話どこかで見たような、聞いたような話ではないだろうか。身近な例では、南京陥落の半年前に、北京近くの通州で中国保安隊が日本人居留民三〇〇人近くを実際に惨殺した時の報告書である。そして、この『中国大虐殺史』に出てくる物語、これがそっくり中国製「南京虐殺物語」に出てきていることに気づくのである。日本にはこんな虐殺の歴史、文化はそもそも存在しないのである。

四、      結論:中国製「南京大虐殺物語」は、日本には中国のような虐殺文化が全く存在しないことに対する無知に基づき、日本に虐殺の罪をなすりつけることによって、自己の虐殺事実を覆い隠す目的で語られているものである。

『中国大虐殺史』は全文英訳され、「史実を世界に発信する会」の英文サイトに最近掲載され、世界の人々に発信されている。日本人だけでなく、世界の人々も中国文化を正しく認識しないととんでもない災厄をこうむるからである。

(10.6)

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