‘日本史関連一般’ カテゴリーのアーカイブ

資料室: 日本史関連一般

「メディア症候群 なぜ日本人は騙されているのか?」西村幸祐著、総和社、2010年9月発行、¥1,500+税

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著者は1952年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部中退。
本書は、新聞、TVなどを中心とした日本のメディアへの左翼支配、さらには中共系の「世界抗日戦争史実維護連合会」や韓国系の反日組織、北朝鮮の工作機関などの連携による米国メディアへの浸透を始め、メディアを通しての世界的な反日活動の実態を詳述している。こうした、日本を貶め、弱体化させる情報戦争に対して、日本政府の体たらくは目を覆うばかりである。対抗しうる一つの可能性はインターネットの発展による双方向性の情報発信であるが、インターネットに対しても既存メディアからのレッテル張りなどの攻撃が起こってきている。幸いにも、中国や韓国・北朝鮮の代理人であったような民主党政府が崩壊したので、自民党政府は早急に世界的な情報戦争を戦える強力な組織を設立すべきです。我々は同盟国すら信用できない世界的な戦国時代に生きているのである。日本は情報戦争で敗れるという戦前の失敗を、再び繰り返してはならない。

「嘘だらけの日中近現代史」倉山満著、扶桑社、2013年6月発行、¥760+税

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著者は1973年、香川県生まれの憲政史研究者。1996年、中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程を修了。国士舘大学で日本国憲法を教えている。
”中国に「近代」などありません。あるのは、独裁の古代と殺戮の中世だけです。中国大陸では古代と中世が繰り返されてきただけで、中国はいまだに近代国家ではないのです。その意味で、模範的近代国家である日本とはまるで異質の国です。・・・中国はいかなる意味でも「近代」国家ではありません。・・・「中国」という名前が嘘です。せいぜい「中華人民共和国の略称」くらいの意味しかありません。・・・たかだか建国六十年です。・・・中国を理解する三つの法則を覚えてください。一、力がすべて、二、陰謀でごまかす、三、かわいそうな人たち つまり、ただひたすら殺伐としているのが中国なのです。徹頭徹尾、暴力や金銭、あるいは社会的立場など、自分と相手のどちらが強いかだけを計算して行動します。この点で、世界一の冷徹さを持つ民族です。日本人など到底、及びもつきません。弱肉強食、万人の万人に対する闘争こそが中国大陸の本質です。・・・悪知恵という点においても、日本人は中国人に比べると、大人と子供、いや赤ん坊くらいの差があるでしょう。・・・あらゆるきれいごとと言い訳を並べ、強い相手を騙します。命乞いをして時間を稼ぎ、自分のほうが強くなったら、隙をついて裏切ります。相手を怖いと思ったらつぶす、利用価値があると思ったら飼い慣らす。恐ろしく殺伐とした世界です。”(はじめにより)。
”中国史のパターンを図式化してみましょう。一、新王朝、成立->二、功臣の粛清->三、対外侵略戦争->四、漢字の一斉改変と改竄歴史書の作成->五、閨閥、宦官、官僚など皇帝側近の跳梁->六、秘密結社の乱立と農民反乱の全国化->七、地方軍閥の中央侵入->八、一へ戻る 基本的にこのパターンを数千年間繰り返して今に至っています。・・・中国の政治は閨閥・宦官・官僚らの派閥抗争と対立のうえに皇帝が君臨して均衡が保たれるのです。こんな体制は長くは安定しません。・・・中国には「政治的言動は即死刑」という伝統がありますから、一般庶民は政治のことに関心を持ちませんが、もはや最低限度の生活が維持できないと悟るや武器を持って立ち上がります。”(第一章より)
これ以上内容の解説はいたしませんが、満洲への莫大な投資を騙し取られ、現在の中国への投資を台無しにされても、なお、「中国は十数億人の市場」とか「日本経済は中国に依存している」などと念仏のように唱え続ける中共の代理人のような日本のメディア関係者や産業人、国家の指導層の人たちにぜひ読んでいただきたい書物です。
長年にわたって支那の属国であった朝鮮半島も似たようなものです。
著者には「嘘だらけの日米近現代史」扶桑社、2012年9月発行、¥760+税もあります。

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「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」半藤一利著、文藝春秋、2012年10月発行、¥780+税

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著者は1930年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。取締役などを経て作家。
本書は、太平洋戦争(大東亜戦争)における日本軍の失敗から学ぶ教訓を基に、リーダーの条件と日本のリーダーの欠陥とを考察した書である。
著者が本書でリーダーの条件として列挙しているのは以下のものである(文中の表現は少し異なる)。
一、 リーダーの最大の役目は決断すること
しっかりと情報を取り入れて自分でよく考えて判断し、決断を人に任せてはならない。
二、リーダーは部下や関係者に明確な目標を示せ
目標を明確に示さない限り、部下や関係者に一丸となって大きな力を発揮させることはできない。
三、リーダーは自分が中心となり、先頭に立って戦え(焦点に位置せよ)
密教には「九字」と言われる魔除けの作法(呪文)がある。九字とは、「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、前、行」(シナの古典、抱朴子)の九文字のことで、それぞれに秘印が存在するのであるが、意味するところは「戦(兵)に臨んで戦うには、すべての陣列の前を行く」という意味です。神仏ですら必要な場合は先頭に立って戦うということです。ましてや、他人を率いて行こうという人間のリーダーにとっては当然の心掛けではないでしょうか。しかし実際には、大東亜戦争のとき、多くの部下を特攻攻撃に送り出した後、逃げ帰ってきたリーダーがいた。もともと、こういう人をリーダーにしてはいけない。
四、リーダーは情報を確実に把握せよ
言うまでも無く、都合の悪い情報を排除したり、見落としてはならない。出所不明の情報には特に注意が必要である。
五、リーダーは過去の経験や理論に囚われずに変化に対応せよ
時の流れにおいて、まったく同じ事というのは二度と起こらない。過去の経験や理論は参考にはなっても、時代の変化や新しい事態に対応していくには常に新しい発想が必要です。
六、リーダーは部下に最大限の任務を遂行させよ
部下に任務の方向性と目的を明確に示し、理解させ、納得させた上で任務を遂行させよ。
「日露戦争という日本近代史に燦然と輝く栄光を背負って・・・参謀まかせの「太っ腹リーダー像」が生み出された。・・・結果として・・「上が下に依存する」という悪い習慣が通例となる。・・・これでは本当の意思決定者、ないしは決裁者がさっぱりわからなくなる。当然のことのように、机の上だけの秀才参謀たちの根拠なき自己過信、傲慢な無知、底知れぬ無責任が戦場をまかりとおり、兵隊さんたちがいかに奮闘努力、獅子奮迅して戦っても、すべては空しくなるばかりなのです」(第五章)。その結果、「決断できない、現場を知らない、責任をとらない」(帯表示)リーダー(指導者)が蔓延し、その傾向は現在にまで至っているというのが著者の分析である。別の表現をすれば、統治システムにおいて指揮命令系統を明確にし、組織内の地位と権限と責任とを明確に一致させ、組織内の人事制度を目的遂行型にして、組織運営を合理的・合目的的にすれば、本来の意味でのリーダーが登用されやすくなるということではないか。
内容はとても面白いが、読み進むうちに暗澹たる気持ちに襲われる書である。限られた範囲では優れたリーダーもいたが、全体としては日本はリーダー不在で大東亜戦争を戦ってしまった。統治システムも含めて、日本が本来の意味でのリーダーを持つのが困難なのは、日本民族自身の性癖にあるように思えてくる。アメリカや中国のような好戦的・侵略的な異民族とは異なり、諸外国(異民族)と隔絶された平和な江戸時代250年を経て、日本民族本来の平和な時代向きの民族性が真のリーダーを持つことを困難にしているように思える。言い換えれば、日本は現場の力によって動いている国であり、危機に直面さえしなければ、ある意味、最も効率的で柔軟な国であるとも言えよう。それは現在の占領憲法を「平和憲法」と強弁する論理にも現れている。もし憲法第九条があらゆる戦争を放棄している(実際はそうではない)のならば、現憲法は「平和憲法」などではなく、近隣諸国に対する「侵略戦争誘発憲法」と呼ぶべきものです。本来の平和憲法ならば、国防のための十分な軍備を備え、国家と自国民保護のためなら戦争も辞さず、近隣諸国に日本侵略の意図を微塵も抱かせないような憲法であるべきでしょう。日本人は一日も速く、あいまいな表現を持つ現憲法第九条を廃棄すべきです。国防条項(第九条)は単に、「日本国は国家防衛のための国防軍を保持する」だけで良いのではないか。「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」などというのは言わずもがなで、どうしても憲法に残したいのであれば、憲法前文に入れるべきです。国際政府の存在しない世界は平和な”徳川時代”ではなく、“力の強い者が勝つ”戦国時代なのです。弱者を守る真の意味での国際法など存在しないことは、大東亜戦争の敗戦で良く分かったはずだ。諸外国は平和勢力だなどという認識は、人間の本性と歴史に無知な愚者の認識です。基本的に、自国の平和は自国を強くすることによって自国で守るしかないのです。

「日本を呪縛する「反日」歴史認識の大嘘」黄文雄著、徳間書店、2012年11月発行、¥667+税

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著者は1938年、台湾生まれ。1964年来日。著名な評論家。
本書は、著者がすでにさまざまな著書で述べている日本の近現代史(明治維新から日韓併合、満州国建国、台湾領有、大東亜戦争まで)の史実をまとめたものである。近年の中国、韓国による反日歴史史観、というよりも、史実を無視したゆすりたかりの「中華史観」と同調して日本を貶め、弱体化させようとしている日本の政治家、官僚、マスコミ、学者、文化人などの欺瞞を排して、日本人に史実を理解し、自国に対する誇りを持ってもらうことを目的として書かれたものである。彼らは「息を吐くように嘘をつく」(朝鮮日報、2010年2月2日)。そのことを弁えた上でうまく利用できないのであれば、かって福沢諭吉が喝破したように、日本は中国・韓国という「アジアの悪友どもとは絶交すべき」である。「諸々の愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬すること、――これがこよなき幸せである」(「ブッダのことば」中村元訳、岩波書店)。

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目次を紹介しておくと、
序 章 日本人を貶める「反日」歴史認識の嘘
第一章 世界を変えた日本の近現代史
第二章 朝鮮半島を救った日韓合邦
第三章 「王道楽土」を実現した満州国の真実
第四章 日中戦争の真の被害者は日本だった
第五章 台湾に根付いた日本精神
第六章 大東亜戦争が果たした歴史貢献
終 章 歴史捏造への逆襲
「歴史を政治の道具ではなく、良心と良識を持つ者がグローバルな歴史の流れから見たならば、日本が近代世界に果たした歴史貢献はいくら評価してもしすぎることはないほど明々白々である。中韓は、今までの歴史捏造と歪曲を反省する必要があり、逆に日本に謝罪し、感謝しなければならい。・・・日本は開国維新以来、万国対峙の局面、アジアの植民地化の情勢のなかで、ただ一人自存自衛のため、あるいは東アジア防衛のため、孤軍奮闘を繰り返し、超大国が仕掛ける戦争を戦い続けてきたのだ。それを「悪」と見なす東京裁判史観こそ、アジア侵略を行った欧米列強の史観であり、いわば侵略者の侵略正当化史観である。あるいは同じアジアの国家でありながら、アジア解放など一切念頭にも置かず、つねに東アジアの騒乱の元凶であり続け、挙句の果てには欧米侵略者に荷担した中国の歴史観でもある。・・・戦争責任を追及するなら、このようなアジアの(註:というよりは人類の)敵だった国々に対して行うべきなのだ。」(終章)
「日本が悪かったことといえば、こうした国々に敗れ去ったことくらいだ」(同)―これが著者の結論である。

「中国共産党 野望と謀略の90年」雑誌「正論」別冊15、産経新聞社、2011年6月発行、¥1,000(税込み)

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国際共産主義組織(コミンテルン)と中国共産党の歴史・陰謀などに関する特集号。戦後70年近くになる現在、共産主義独裁国家として生き残っている唯一の大国である中国(共産党政府)の実態と恐怖や共産主義の戦争責任を特集している。共産主義の最大の恐怖は人間の自由の抑圧にあり、自己の側にのみ正義があるとして他者の生存権を認めないその独善性にある。共産主義が20世紀以降、人類にどれほどの惨禍をもたらしたか、「共産主義黒書-犯罪・テロル・抑圧-<ソ連篇>」(恵雅堂出版、クルトワ・ヴェルト著、外川継男訳、2001年11月発行)や

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「共産主義黒書-犯罪・テロル・抑圧-<コミンテルン・アジア篇>」(恵雅堂出版、クルトワ・ステファヌ他著、高橋武智訳、2006年7月発行)

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などを読めば明らかで、身の毛もよだつ思いがするのは何も虐殺の文化を持たない日本人だけに限るまい。「戦争と革命の世紀であった20世紀、ナチズムの犠牲者2500万人に対し、共産主義による犠牲者はソ連で約2000万人、中国で6500万人、ベトナム100万人、北朝鮮200万人、カンボジア200万人、全世界では合わせて1億人を数える(前掲書のAmazonの内容紹介より)」という。

本書の中の小堀桂一郎東京大学名誉教授の論文、「共産主義の戦争挑発を隠蔽した東京裁判」は、1951年5月3日の米国上院軍事外交合同委員会の公聴会に於けるマッカーサー証言「太平洋に於いて米国が過去百年間に犯した最大の政治的錯誤は、共産主義者が支那で強大な力に成長するのを許してしまったことだ、といふのが私個人の見解である」を紹介しており、藤岡信勝拓殖大学客員教授の「日中戦争を始めたのは中国共産党とスターリンだ」と江崎道朗日本会議専任研究員の「アメリカを巻き込んだコミンテルンの東アジア赤化戦略」(英訳は「掲載文献」参照)とは、共産主義者が中国やアメリカのルーズヴェルト政権中枢部へ深く浸透して起こしたのが日支事変から日米戦争に至る日本つぶしであったことを実証的に追求している。当時のルーズヴェルト政権内への共産主義者の浸透については、“「ヴェノナ」PHP研究所、J.E.ヘインズ&H.クレア著、中西輝政監訳、2010年2月発行、¥3,200(税別)”に詳しい。

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他の論文には当時の日本の上層部への共産主義の浸透も論述されており、まさに20世紀は共産主義の幻想と害毒が世界を覆った時代であったとも言える。そして現在もなお、アジアを中心として共産主義の残存勢力との戦いは続いていると言ってよい。特に中国では中華思想と共産主義とが合体していて周辺民族への侵略・虐殺・抑圧には凄まじいものがあり、その記録は以下の著書などに詳しいが、普通の日本人の感覚からすれば中国人(漢民族)というのは血の通った人間ではないのではないかと思わせるものがある。日本軍による「南京大虐殺」を捏造することなど何でもないことなのであろうが、自身が行った悪事を他に転嫁することは、行った悪事以上に罪深いことである。現在の中華人民共和国という“国”は、中国共産党という匪賊集団がシナ本土、満洲、内モンゴル、ウイグル、チベットを武力で占拠して“国家”を詐称している私的集団(地域)である。その証拠に、中国共産党という私的集団を守る暴力装置である人民解放軍を有してはいても、中華人民共和国という“国”の軍隊は存在しない。日本はこういう無法者の“国”とは緊密な関係を保つべきではない。

・「中国の狙いは民族絶滅―チベット・ウイグル・モンゴル・台湾、自由への戦い」林建良、テンジン、ダシドノロブ、イリハム・マハムティ共著、宝島社新書、2009年3月発行、¥1,575(税込み)

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・「中国はいかにチベットを侵略したか」マイケル・ダナム著、山際素男訳、講談社インターナショナル、2006年2月発行、¥1,890(税込み)

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・「殺劫(シャ・チェ)チベットの文化大革命」ツェリン・オーセル、ツェリン・ドルジェ、藤野彰、劉燕子共著、集広舎、2009年10月発行、¥4,830(税込み)

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・「墓標なき草原-内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録」(上)(下)(続)、楊海英著、岩波書店、各2009年12月、2011年8月発行、¥3,150、¥3,360(税込み)

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・「7.5ウイグル虐殺の真実―ウルムチで起こったことは、日本でも起きる」イリハム・マハムティ著、宝島社新書、2010年1月発行、¥680(税込み)

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「日本人が知っておくべき竹島・尖閣の真相」SAPIO編集部編集、小学館、2012年10月、¥980(税込み)

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韓国の古い公文書や地図を見ると、竹島について現在の主張と矛盾する内容が記され、中国や台湾の古地図には「尖閣は日本領」であると描かれていた–。国際情報誌「SAPIO」において、数多くの著者が論理とジャーナリズムの手法で「竹島・尖閣の真相」を追求してきた。本書はそうしたレポートが10年間蓄積された集大成である。本書に掲載した地図や公文書、写真、証言などを見れば、韓国や中国に領有権が存在するという歴史的、国際法的理由はないことが明らかとなる。(Amazonの商品説明より)
領土問題を考える上で、過去の事実を知っておくことは最低の条件である。

「昭和の大戦と東京裁判の時代」若狭和朋著、ワック、2013年2月発行、¥1,400(+税)

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著者は1942年、福岡市生まれの歴史家。九州大学法学部卒業。通産省入省後、身内の不幸に遭い、禅宗の修行僧となる。その後、公立高校の教師を勤め、定年を迎えている。本書は、2007年と2009年に出版された著書の改訂・新版です。
本書の内容は、「東京裁判」とその現代までの影響を中心に書かれたもので、まだあまり日本人に広くは知られていない内容が含まれており、一読の価値があります。以下、それらのいくつかを紹介しておきます。
①東京裁判の判決の後、弁護団がアメリカ連邦最高裁判所へ再審請求を申し立てたとき、再審却下理由としてW.O.ダグラス裁判官が言った言葉。「東京裁判は政治的復讐的軍事行為と言うべきであり、そもそもが司法的な裁判ではないのだから司法的な再審請求は成立しない」(pp.127)。つまり、アメリカ自身が東京裁判は裁判ではなく、リンチ(あるいは戦闘行為)だと言っているのです。昭和27年4月28日の講和条約発効までは、国際法的には戦争状態が継続していたということです。
②「東京裁判」で処刑された(戦死した)東條英機ら7名の遺骨(墓)。処刑された7名の遺骨は太平洋に遺棄されたと言われているが、実際は日本人関係者の献身的な努力で遺骨の一部が奪還されて日本国内の三箇所に分骨され、墓碑が建立されている。静岡県熱海市伊豆山の興亜観音の観音堂、愛知県幡豆郡幡豆町の三ヶ根山山頂(殉国七士墓)、および長野県某所(私有地内)である(pp.111~112)。
③東條英機の遺言。教誨師であった花山信勝がメモしたものの骨子は以下の通り(pp.114~115)。
・敗戦の国内的責任は満足して刑死に就くが、国際的責任は無罪を主張する。たまたま力の前に屈服したものである。
・東亜民族にも生存権はある。今回の戦争でその主張を達したものと思っている。
・米国に対し、赤化(共産化)せしめざることを頼む。今次大戦で米英側は大きな失敗を犯した。1)日本という赤化の防壁を破壊した、2)満州を赤化の根拠地にしてしまった、3)朝鮮を二分して東亜紛争の因たらしめた。
・日本軍人の一部の誤った行為は衷心謝罪する。しかし、無差別爆撃や原爆投下は米軍側も悔悟あるべきである。
・統帥権独立の思想は間違っていた。あれでは陸海軍一本の行動はとれない。
註:昭和27年(1952年)に発効されたサンフランシスコ講和条約第11条に則り、全国で戦犯釈放運動が広まって当時の成人のほとんどといってもよいくらいの4000万人(当時の日本の人口は8454万人)もの署名が集り、昭和28年に戦犯の赦免に関する決議が国会で、社会党や共産党まで含めて一人の反対もなく決議された。
そして国際的にも、サンフランシスコ講和条約第11条にもとづき関係11ヶ国の同意を得て、A級戦犯は昭和31年に、BC級戦犯は昭和33年までに赦免し釈放された。
このような赦免運動・決議の結果、すでに処刑されていた【戦犯】は「法務死」とされた。だからこそ戦犯とされていた人々も靖国神社に合祀されたのである。
●1952年(昭和27年)6月9日参議院本会議にて「戦犯在所者の釈放等に関する決議」
●1952年(昭和27年)12月9日衆議院本会議にて「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」
●1953年(昭和28年8月3日衆議院本会議にて「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」
●1955年(昭和30年)7月19日衆議院本会議にて「戦争受刑者の即時釈放要請に関する決議」
④日本は大東亜戦争に至るまでの情報・外交戦で破れていた。開戦直前の1941年12月5日、『シカゴ・デイリー・トリビューン』紙が「ルーズベルトの戦争計画が発覚」と一面全紙を使って「ルーズベルトの戦争計画」を報じ、大統領を「ウォー・モンガー」(戦争屋)とののしって一大キャンペーンを張った。アメリカ世論の大多数が戦争反対であった当時、日本はアメリカ国民に直接、ハルノートを公開して訴えるべきであったが、日本の外務省は何もしなかった。石油が全面禁輸になった同年8月の時点でも何もしなかった(pp.133~135)。いわば外務省が日本を戦争に導き、海軍が敗戦を招いたというのが歴史の真実です。
⑤吉田茂の姑息な奸智。開戦の通告が遅れた当時者であるワシントン日本大使館員たちを処罰せず、外務省へ呼び戻して後に外務次官に登用した(pp.51)。
⑥日露戦争以前の満州の主権の大部分はロシアが清国から買収していた。日露戦争後、ロシアは満州から撤退し、暗黙のうちに日本の領土割譲・賠償金支払い要求に答えていたのだが、当時の日本はそれに気づかず、満州を清国へ返還した。当時の清国は露清密約を結んでいた(1896年)のにである(PP.97~98)。これが後の満州事変へとつながっていく要因となったのです。
⑦朝鮮を日本の保護領にすることを日本に要請したのは、ポーツマス講和会議の席でのアメリカ大統領(セオドア・ルーズベルト)であり、同年の第二次日英同盟締結時のイギリス全権であった(pp.28~29)。
⑧張作リン爆殺事件の犯人は関東軍ではないようだ。ソ連が犯人である資料がロシアから続出している。親日的であった張作リンを殺しても、日本には得られる利益がない。犯人とされている河本大作は昭和28年に中共の強制収用所で獄死しており、翌年「俺がやった」という「談話」が公表された(193~194)。
⑨大東亜戦争開戦時の日本の外務大臣、東郷茂徳の旧姓は「朴」である(pp.209)。
⑩小泉首相は、来日したブッシュ米国大統領からの連れ立つての靖国神社参拝の申し出を断っていた。2002年2月に来日したブッシュ大統領の申し出を外務省も官邸も首相自身も断り、明治神宮参拝にすり替えた。しかも小泉首相は車の中で待ち、大統領の単独参拝となった(pp.188)。日本国の首脳部は、アメリカが日本を戦争に引きずり込んだこと、国際法を無視した都市部への無差別爆撃や原爆の投下、多くの戦争犯罪人を仕立て上げてリンチのように虐殺したことなどを正式に日本国に謝罪しない限り、絶対にアメリカを許さないという意思表示だとでもいうのだろうか。それなら日本にもまだ救いがあるが、決してそうではあるまい。戦後の政府指導者は、自民党政権も含めてほとんどが赤(共産主義者)ではなくてもピンク(左翼勢力)だといって過言ではない。何と情けない指導者しか日本にはいないのかとつくづく思う。
著者には、日露戦争の時代を中心とした「日露戦争と世界史に登場した日本」、ワック、¥1,400+税 もある。

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「東條英機 歴史の証言-東京裁判宣誓供述書を読みとく」渡部昇一著、祥伝社黄金文庫、2010年7月発行、¥840(税込み)

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本書は東條英機がいわゆる東京裁判の法廷に提出した宣誓供述書に、著者、渡部昇一上智大学名誉教授が解説を加えたものである。
この宣誓供述書は、東條被告が開廷以来取り続けたメモ・ノートを基に、東條被告の担当であった清瀬一郎博士とアメリカ人弁護士ブルーエットを含めた三人が心血を注いで完成し、1947年12月26日の法廷に提出した正式の法廷記録である。同内容は法廷提出後間もなく出版されたが、占領軍の報道政策により「発禁第一号」に指定され、市場からその姿を消した。その後も占領軍は日本国内に厳しい言論統制を布き、次々と日本人の言論を封じていくが、その手法はまさに共産主義者や独裁者のやり口そのもので、その一事をもってしても、東京裁判が不当なリンチであり(東京裁判にはそもそも管轄権がなかった)、誰が日支事変や大東亜戦争の真の仕掛け人であり、戦争犯罪人であったかということが良く分かる。もし連合国(主としてアメリカ)側に正義があるのであれば、日本国内の言論の自由を保障し、すべての証拠資料を採用して正々堂々と振舞えば良かったはずである。
本宣誓供述書は、当事者として事情を知悉した東條英機が文字通り自己の“いのち”を賭けて供述した内容だけに、日本が大東亜戦争(太平洋戦争)へ追い込まれていった当時の状況が生々しく読む者に迫ってくる。渡部名誉教授の解説も分りやすく、当時の歴史の真実を知るための最重要資料の一つであると言える。
第一次世界大戦(1914~1918年)後の不況に際して、増加する外国製品の輸入を抑えるため1929年(昭和四年)にアメリカの下院に上程されたホーリイ・スムート法に代表される保護主義のため世界の貿易量が激減し、1929年10月24日にはいわゆる「ブラックサーズデー」でアメリカの株式市場が暴落する。これが世界中に大不況を呼び、アメリカ、イギリス、フランス、オランダ、ソ連などの(工業資源を)”持てる国”がそれぞれに植民地を含む自己の勢力圏を囲い込み、ブロック経済を形成する。それは”持たざる国”は滅びろということを意味するのだが、当時の”持てる国”家群は人類全体を考えるという視点に欠けていた。アメリカから移民を拒否され、商品の購入には高関税をかけられ、窮した日本は天津の日本租界内に逃げ込んできた清国最後の皇帝、溥儀(満洲人)と協力して日本軍(関東軍)が背後についた満洲人の国家、満州国を建国する。満洲の地は歴史上、満洲人(女真族)の故地でシナ(中国)ではないのだが、清国の版図をすべて継承しようとする中華民国が主権を主張して満州国および日本と対立した。シナの反日運動が激化し、やがて共産主義者と結んだ中国国民党が対日戦争を仕掛け、日本政府の政策の不徹底もあって日中戦争はドロ沼化する。”持たざる国”ドイツがヨーロッパで戦争を始め、イギリスにまで空爆攻撃を開始すると、シナの蒋介石政権(国民党)を支援していたアメリカのルーズヴェルト政権はイギリス救援の目的もあり、アメリカ国内の孤立主義を廃して戦争に参加するため、対日戦争を画策する。その結果、くず鉄、石油などの対日輸出を禁止し、日本の資産を凍結した。イギリス・オランダも同様の措置に出て、日本を経済封鎖する。それは宣戦布告を意味する行為なのだが、かくして工業原料や軍需物資の自己調達の必要に迫られた日本にとっての生存の道は、当時、欧米の植民地であった東南アジア資源国への侵攻以外には残されていなかった。これが大東亜戦争に至る経緯であり、日本は自存自衛のために大東亜戦争を戦わざるを得なかったというのが歴史の真実であり、東條英機の主張でもあった。一言でいえば、”持てる国”のブロック経済化と世界的な共産主義者の策動が大東亜戦争を引き起こしたのです。後に共産主義勢力に朝鮮戦争を起こされたマッカーサーも、そのことを認めている。
「日本は近代国家として持っているのは、蚕だけだと言っています。絹産業だけだということです。ほかのものは何も持っていなかった。しかし、必要なものはすべて南方地域にあった。それなのに、われわれは日本に売らないことにした。日本はこのまま行けば、一〇〇〇万人から一二〇〇万人の失業者を生ずることになった。したがって日本が戦争に入ったのは、主として国家安全のためであった」(一九五一年、アメリカ上院軍事外交合同委員会でのマッカーサーの証言。第一章より)
「太平洋に於いて米国が過去百年間に犯した最大の政治的錯誤は、共産主義者が支那で強大な力に成長するのを許してしまったことだ、といふのが私個人の見解である」(同、これはジョージ・ケナンやヘレン・ミアーズ女史の見解でもあった。「共産主義の戦争挑発を隠蔽した東京裁判」小堀桂一郎より)
昭和16年10月17日、天皇の大命を受けて東條内閣が誕生します。近衛内閣の辞職に際して、戦争準備を白紙還元することを条件に東條は組閣を引き受けた。東條は総理大臣、陸軍大臣、内務大臣(内務省は警察・特高を統括)、軍需大臣を兼任したが、海軍は統率外にあり、軍の統帥は参謀総長(陸軍)と軍令部総長(海軍)にあった。東條にはルーズヴェルトやチャーチル、ヒトラー、スターリンのような指導者としての権限はなかった。当時の日本ではすべてが話し合いの制度だったのです。もし東條英機という人物が日本人離れのした怪物であったなら、日米戦争が避けられないと思った時点で、強引にでも陛下の権威を利用して、海軍大臣、陸軍参謀総長、海軍軍令部総長のすべを兼任すべきであった。そうすればすべて自己の責任で大戦争を戦うことができたのです。結局、日本は本当のリーダーがいないまま、大東亜戦争を戦ってしまった。東條という人は、それでも潔く敗戦の責任を認めている。「(註:国民に対する)敗戦の責任については当時の総理大臣たりし私(註:東條英機)の責任であります。この意味に於ける責任は私は之を受諾するのみならず真心より進んで之を負荷せんことを希望するものであります。」(宣誓供述書末文より)。そういう意味では、東條英機という人はめぐり合わせの悪い人であった。人間個人として見れば、何か目に見えない運命的な力が働いていたとしか考えようがない。
ところで、戦後、なぜ本宣誓供述書が無視され続けてきたかについて、解説者の渡部名誉教授は以下のように述べている。
「東條さんの宣誓供述書が残されたことは、日本人にとって有難いことであった。その後間もなくマッカーサー自身が東條さんの主張(註:大東亜戦争は日本の自衛戦争であったという主張)が正しいことを認めたではないか。ただ大東亜戦争に対する東條・マッカーサーの史観が、日本人の間に普及していないことが残念である。その主たる理由はいまでは明らかだ。占領期間中、二〇万人ともいわれる人たちが公職追放となったからである。この追放令の中心は民生局のケーデス一派だと言われる。彼らはアメリカ民主党の左派であり、中には後にコミンテルン(註:国際共産主義組織)のエージェント(註:手先、スパイ)だったと判明した者もいた。・・・その公職追放令の嵐の中で、うんと得をした者たちがいた。戦前の左翼思想家や在日コリア人などなどである。特に重要な敗戦利得者は、左翼インテリだった。一例をあげれば・・大内兵衛と滝川幸辰である・・・この二人はコミンテルンのシンパ、あるいは同調者として天皇の帝国大学教授としてふさわしくないとされたのである(コミンテルンは天皇制廃止を指令していた)。しかし敗戦により華々しく復活した。・・・戦後のいわゆる岩波・朝日文化は、敗戦利得者の左翼インテリ文化と言える。・・・これは典型的な敗戦利得者で、そのほかの例は数え切れない。この敗戦利得者たちは日本の主要な大学の主要なポストを占め、その弟子たちは、あるいは日本中の大学に教授として散らばり、あるいは大新聞の記者となった。正に癌細胞の転移にも似た様相を呈したのである。こうした敗戦利得者とその弟子たちが、戦前の「日本のよさ」とか「日本の立場や言い分」を肯定することはない。」(“はじめに”より)

「日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか」黄文雄著、徳間書店、2011年5月発行、¥952+税

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著者は台湾出身の高名な文明評論家。縄文時代にまで遡りうる古代から現代にまで続く日本人の特質を、主として16世紀に西欧が日本と接触を始めたころからの訪日外国人による日本および日本人評を分析することにより明らかにしている。文明や国民性の特質は異質の文明や国民との比較によってのみ際立つものであり、外国出身である著者による分析は鋭く、類書とは一線を画している。過去の著名な訪日外国人による記録・見聞録を渉猟し、五つの観点(日本人の不屈の精神、美徳、勤勉、美意識、武士道精神)から日本と日本人とを論じている。本書にも述べられているように、文明や国民性というものは簡単に変化するものではなく、シナの共産党独裁政権や韓国・朝鮮政府のウソで固めた主張(捏造史観)がいかに滑稽なものであるかの傍証にもなっている。大虐殺や略奪を繰り返してきた歴史を持つシナ大陸の政権は「日本軍による南京大虐殺」を発明し、長い献女外交の歴史を持つ韓国・朝鮮は売春が違法でなかった時代の単なる民間の売春グループである慰安婦を騒ぎ立て、戦時中の法律に基づき日本本土で実施された女子勤労動員である女子挺身隊にならって工場や農村で働いた韓国・朝鮮人の「女子挺身隊」までを「性奴隷」と詐称する。お里が知れるというか、捏造するにしても他人のウソ(戦後の反日日本人や国賊的な日本の政治家による捏造)を利用するにしても、自国の歴史や経験、自民族の習性によってしか発想できないというのは、何とも哀れで滑稽な話である。
ちなみに、中国の共産党独裁政権が主張している南京大虐殺に関する内容は中国自身が南京事件(1927年)・済南事件(1928年)・通州事件(1937年)などで日本人居留民(在留邦人)に対して行ったことであり、現在、韓国が主張している従軍慰安婦に関する内容は朝鮮戦争のとき韓国自身と米軍とが行ったことである。中国・韓国の独立記念館のような他国に罪悪を転化する創作は日本人には考えも及ばず、かえって彼らの指導層の狡猾さと残虐性を露にしている典型である。
註:本書の続編として、より個人に光を当てた「世界から絶賛される日本人」徳間書店、2011年12月発行、¥1,050(税込み)が出版されている。

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なお、著者には、「命がけの夢に生きた日本人」青春出版社、2006年3月発行、という著書もある。

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本書と類似の書物に、呉善花著、「なぜ世界の人々は「日本の心」に惹かれるのか」(PHP研究所、2012年7月発行、¥1,680)がある。

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「日本人はとても素敵だった―忘れ去られようとしている日本国という名を持っていた台湾人の心象風景」 (シリーズ日本人の誇り) 楊 素秋著、桜の花出版、2003年12月発行、¥1,365(税込み)

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著者は1932年、台湾・台南市生まれ(日本名:広山喜美子)。長榮女学校卒業。貿易、通訳、日本語教師など、多方面で活躍している。
昭和20年(1945年)の春、台南第一高等女学校の入学試験を受けるため、著者が疎開先の大社村から台南に汽車で戻っていた途中の出来事でした。大東亜戦争も末期で、台湾も度重なる米軍の空襲に見舞われており、その日も汽車が遅れ、ようやく乗れた汽車は膨らんだ多数の乗客でデッキのステップまで人が溢れていました。著者は何とかデッキのステップに立ち、鉄棒につかまった状態で列車が発車しましたが、そのうち、腕に捧げていた荷物の重みに耐え切れなくなり、列車が鉄橋の上を通過していたときに片方の足をステップから踏み外し、意識を失ってしまいました。しばらくして気がつくと、同乗していた日本軍の将校さんに助けられていたことが分かりました。
大東亜戦争で日本が敗戦国となったため、戦後、日本軍や日本の海外統治に対する悪意あるウソが反日勢力により世界に広められていますが、本書はそうした作り話とは無縁の、実際に当時を生きた台湾人による回想です。著者は古き良き日本時代を懐かしみ、戦後、中国人がやってきた後の台湾の悲劇を嘆いています。全体の内容が推察できるよう、以下に目次を掲載しておきます。
第一章 命の恩人は日本人
第二章 日本統治時代
第三章 素晴らしかった日本教育
第四章 優しい日本の兵隊さん
第五章 戦後、中国人がやって来た
第六章 日本人よ、しっかりしてください
第七章 想い出は永遠に・・・
日本は台湾でも、朝鮮でも、満洲でも、良いことだけをした。その実態の一端がうかがい知れる内容です。これらの国々や地域に日本がほんとうに謝らなければならないとしたら、それは戦前の日本が情報戦を軽視して、当時のアメリカで多数を占めていた反戦勢力に直接、訴えることをせず、大東亜戦争に至ってしまったことと、日本海軍の上層部がとんでもない戦い方をして戦争に負けてしまったことでしょう。
前記のように著者は命がけで入学試験を受けに行ったのですが、受験当日、空襲に遭い、結局、台南第一高等女学校へは行けなくなり、戦後、ミッションスクールであった台南市の長榮女学校へ行くことになった。
著者は本書で、あのとき命を救ってくれて、名前を告げずに去った日本兵に対して、「紫色の風呂敷包みを持っていた将校さん、今どこにいらっしゃいますか?どうかこの言葉が届きますように!私はいつも台湾から「ありがとうございました」と心に念じております!」と書いている(pp.41)。さらに、「私の心の中には、いつもとても綺麗な日の丸の旗が翩翻とはためいています」とも書いています(pp.272)。
なお、本書はコラムを読めば、明治時代(特に日清戦争)以降の日本内地と台湾との関わりの大要が分かるようになっている。
本書は「桜の花出版」“日本の誇りシリーズ”の第一巻目であり、以下の書籍が続いて出版されている。
・「帰らざる日本人‐台湾人として世界史から見ても日本の台湾統治は政策として上々だったと思います」、蔡敏三著、桜の花出版、二〇〇四

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・「母国は日本、祖国は台湾‐或る日本語族台湾人の告白」、柯徳三著、桜の花出版、二〇〇五

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・「素晴らしかった日本の先生とその教育」、楊應吟著、桜の花出版、二〇〇六

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・「インドネシアの人々が証言する日本軍政の真実‐大東亜戦争は侵略戦争ではなかった」、桜の花出版編集部、桜の花出版、二〇〇六

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・「フィリピン少年が見たカミカゼ‐幼い心に刻まれた優しい日本人たち」、ダニエル・H・ディゾン著、桜の花出版、二〇〇七

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・「アジアが今あるのは日本のお陰です‐スリランカの人々が語る歴史に於ける日本の役割」、桜の花出版編集部、桜の花出版、二〇〇九

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・「少年の日の覚悟‐かつて日本人だった台湾少年たちの回想録」、桜の花出版編集部、桜の花出版、二〇一〇

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