2010年4月 のアーカイブ

「歴史教科書が隠してきたもの」小山常実著、展転社、2009年6月発行、¥1,500+税

著者は1949年、石川県生れ。大学教授。本書で、真実を伝えようとしない戦後の歴史教科書のデタラメさを克明に分析し、国家の安全保障(国防)問題と天皇制に支えられた独立国であり続けた日本国の実態とを意識的に覆い隠していると指摘している。

「「悪魔祓い」の戦後史」稲垣武著、文春文庫、1997年8月発行、¥629+税

著者は1934年、埼玉県生れ。朝日新聞社勤務を経たジャーナリスト。本書で第3回山本七平賞を受賞。戦後のいわゆる「進歩的文化人」の空想的かつ独善的で、事実を無視した発言の数々を徹底的に検証している。そもそも生産の現実も、人間の本性も知らない「文化人」の非現実性や、薄っぺらなイデオロギーに支配され、偏ったイデオロギーの奴隷化した「進歩的文化人」の罪業を詳細に紹介している。こうした「進歩的文化人」の系譜は、その後も中国共産党独裁政権と「日中記者協定」を結び(1972年の国交正常化後は政府間協定へ移行)、自社の経済的利益のためだけに自ら報道・言論の自由を放棄するという、ジャーナリズムとしての自殺行為に等しい協定を通して、「中国共産党独裁政権の舌」と化している大新聞社やTV局(後には日本政府も)などに受け継がれている。「悪魔」は姿を変えてなお健在で、現代の日本からまだ完全には祓われていないのである。

「昭和天皇・マッカーサー会見」豊下楢彦著、岩波現代文庫、2008年7月発行、¥1,000+税


著者は1945年、兵庫県生まれ。京都大学法学部卒業。国際政治論・外交史専攻の学者(関西学院大学法学部教授)。
昭和天皇とマッカーサーとの会見というと、「自己弁明と自慢、自惚れの渦の中にある、ほんの一握りの事実」(「文芸春秋」1964年6月の「マッカーサー戦記・虚構と真実」より)しか見出せない「マッカーサー回想記」に書かれた、「私は、国民が戦争遂行にあたって政治、軍事両面で行ったすべての決定と行動に対する全責任を負う者として、私自身をあなたの代表する諸国の裁決にゆだねるためおたずねした」(「マッカーサー大戦回顧録」(下)、津島一夫訳、中公文庫、2003年7月発行より)という昭和天皇の発言(とされている文言)だけが一般には知られているが、実際は昭和天皇と連合国最高司令官との会見は合計18回に及んだ(マッカーサーと11回、後任のリッジウェイと7回)。
本書は、著者が入手できる限りの資料を分析して得た、敗戦処理から戦後の日本(および皇統)の安全保障を担保するため、かって軍の統帥権を持ち大元帥陛下として大日本帝国に君臨した昭和天皇が、なりふり構わぬ「天皇外交」を展開した姿をかなり詳細に描き出している。著者は法学者であるため、新憲法制定後の象徴天皇という立場と「天皇外交」との整合性に触れているが、国家と民族(と皇統)の危急存亡の非常時にあって、天皇という影響力のある立場から、新憲法との整合性よりも国家の安全保障を優先して行動した昭和天皇の考えを、筆者は支持するものである。
むしろ問題は、コミンテルン(国際共産主義組織)の色濃き影響下にあった戦勝国を相手に、昭和天皇が何としても皇統と日本国の安全を守ろうとして努力した当時に決められた制度(日本国憲法など)を、国際環境も日本の状況も変わった後になっても、時代の変化に合わせて変えていくことのできない日本国民にあるのではないか。
一般に平和憲法と言われている、米軍(GHQ)占領時に公布・施行された現日本国憲法(第九条)に書かれていることは、「国際紛争解決の手段としての戦争は永久に放棄し、そのための戦力も持たず、国の交戦権を認めない」ということです。ただし、国際紛争とは何かということについての定義はなされていない。人類史における戦争の歴史から判断して、国際紛争解決の手段としての戦争とは「侵略戦争」だと考えるのが妥当です。つまり、第九条の規定は、日本語として率直に読めば、国家(国民・国土・領海・領空)防衛のための戦争は放棄していない、そのための国防軍の保持や交戦権は禁止していないということで、外国による日本国への侵略に対して戦争したり、そのために他国と同盟して集団的自衛権を行使しても憲法の規定に抵触しない。ただ、同盟する相手国が米国、英国、露国、中国などの場合は、集団的自衛権を行使する際に慎重さが必要です。歴史上、近現代において日本国は侵略戦争をしたことはないが、これらの国々は何度も侵略戦争を繰り返してきた歴史があるからです。また、日本国民救出のために国防軍を当該国へ派遣して、万一、そのために戦争になったとしても憲法の規定に抵触しないことは言うまでもない。ただし、憲法上「国際紛争」というあいまいな表現を使用していることは大きな問題で、国内においても無用の議論を呼び、平和憲法というよりは近隣諸国に対して日本国への侵略を誘発する「侵略戦争誘発憲法」の一面を持っている。現憲法は米軍の占領がいつまで続くか分からない時代の占領憲法で、本来なら日本国が独立した時点で破棄され、新憲法が採択されるべきであったのです。それを政治家の怠慢で、現在までそのままにしてきたのが現実です。一刻も早く、日本はあいまいさのない、現代に合った憲法を持つべきです。

「歴史が面白くなる 東大のディープな日本史」、「同2」相澤理著、中経出版、各2012年5月、12月発行、各¥1,000+税

著者は1973年生れ。東京大学文学部卒業、東進ハイスクール講師。
本書は東京大学の日本史の入学試験問題に解説を加えて一般書にしたものであり、内容は古代から現代にまで亘っている。さすがに「大学の<顔>としての入試問題」だけあって、疑問な箇所を中心に日本史全体を理解し、深く考察する上で有用な書物である。
「東京大学の日本史の入試問題・・は、人名や年号の知識を問う空欄問題・正誤問題などの出題はいっさいなく、論述問題のみで構成されている」、「「東大日本史」の面白さを一言で言えば、自明に思える歴史の見方・考え方に揺さぶりをかけられる、ということにあります」(“はじめに”より)。
「東京大学ほど「優秀な学生を集める」ということに意識的な大学はありません。東京大学の入試問題は、日本史にかぎらず、緻密な思考力を問う良問が選りすぐられています」(“はじめに”より)。「東大入試の本質は<暗記>である(ほかの科目も含めて)・・・「考える前に覚えろよ」という当然のことを、東大の先生方もお考えなのだと入試問題から感じます」(2の“はじめに”より)。「<意味>はあとからわかる。だからこそ、「考える前に覚えろよ」なのです」(2の“おわりに”より)。
ちなみに、現在の東京大学の入学試験は多様化しており、第2次学力試験に日本史を含む社会科が課せられているのは文科系分野だけである(昭和40年ころまでは、文科系、理科系分野ともに五教科・七科目が課せられていたが、現在では文科系には理科が、理科系には社会科が第2次学力試験の入試科目から除かれている。入学試験が高校以下の学生に試験対策の時間を取らせる以上、優秀で多様な学生を集めるのであれば、入試科目はもっと少なくても良いのではないか)。

「渡部昇一の昭和史」(正)渡部昇一著、Wac bunko、2008年10月発行、¥933+税

著者は1930年山形県生れ。上智大学名誉教授、評論家。さまざまな政治的思惑などから、わが国では戦後、学校での真実の歴史教育が行われていない中で、日本の近現代史を短時間で見直すには有用な書物である。

NHKスペシャル「プロジェクトJAPAN」今度は韓国併合で歴史偽造 ― 「史実を世界に発信する会」茂木 弘道

一、 昨年4月8日にスタートした NHKスペシャル「プロジェクトJAPAN」は、その第1回目に「アジアの一等国」と題して台湾統治を取り上げた。これはどこかの国のプロパガンダならいざ知らず、日本の公共放送の番組としては許しがたい内容のものであった。日本=加害者と云う一方的な立場に立って、史実歪曲・偽造を重ねたばかりではなく、台湾人証言者の発言をその真意を大きく捻じ曲げて伝えるという文字通りの反日プロパガンダ番組であった。日本人視聴者のみでなく、台湾人も含めた一万人訴訟というかつてない大規模訴訟が提訴され、目下進行中である。(筆者も告訴者の一人である。)
二、 これに懲りず、反省せず相変わらず、この大型シリーズ番組をNHKは続けているのであるが、日韓併合一〇〇周年の今年に合わせて、「シリーズ 日本と朝鮮半島」を企画し、第一回「韓国併合への道~伊藤博文とアン・ジュングン」が4月18日に放送された。これまた反日の韓国の立場に立った歴史事実歪曲のむごい番組であった。「プロジェクト KOREA」と云うタイトルにするのがふさわしい内容である。
三、 第二次日韓協約で、韓国の外交権が日本に委任されることになる。軍の映像を流し、伊藤博文がさも軍を動員し武力によって威嚇して高宗にこれを承諾させたかのように述べているのは、当時韓国内でテロが頻発していたことを無視した説明である。伊藤が高宗に内謁見した時に「昨近儒生輩を扇動して上疏建白を為し秘密に反対運動をなさしめつつありとの事は、疾く我軍の探知したるところなり」と述べたのに対し、高宗は反論できなかった。こうした事実は一切無視である。また、又協約には、「韓国が富強の実を認むる時に至るまで」との期限条項が高宗の意向で盛り込まれ、高宗は満足していたのであるが、全く逆に「高宗は納得していませんでした」とナレーションで云っているのである。
四、 特にひどいのは、当時権勢を振い多くの韓国人から恨まれていた高宗の妃閔妃殺害を日本軍と壮士が行ったという断定をしていることである。ロシアをバックとする閔妃と対立していた高宗の実父大院君は、殺害の2日後に高宗に閔妃の身分を剥奪し平民とする詔勅を出させている。殺害クーデターは大院君、日本軍の指導で近代化された訓練隊などが中心になり、三浦梧楼公使や日本の有志が協力して行ったものであることが明らかである。10月7日に訓練隊の解散が通告され、8日に決起となったものである。19日に行われた裁判で、李周會将軍、尹錫禹、朴哲の3人が死刑となった。さらに、太子で後の純宗は、現場にいて殺害者は訓練隊長の禹範善だと証言し、のちに刺客を放って日本にいた禹範善を殺害している。こうした事実を一切無視した日本人犯行論である。こんな反日捏造番組を放送するNHKを許しておいてはいけない。

(10.4)

3月の集計

3月に頂いたご支援の集計です。
3/2 O .A 様 10,000 個人会員
3/2 T .M 様 10,000 個人会員
3/4 O .T 様 10,000 寄付
3/5 O .Y 様 10,000 寄付
3/8 M .K 様 30,000 寄付
3/10 T .S 様 10,000 個人会員
3/12 I .K 様 10,000 個人会員
3/12 O .Y 様 10,000 個人会員
3/12 T .M 様 50,000 寄付
3/15 A .Y 様 100,000 寄付
3/15 S .M 様 10,000 寄付
3/15 M .H 様 100,000 寄付
3/16 K .K 様 20,000 個人会員+寄付
3/17 M .H 様 50,000 寄付
3/17 M .S 様 10,000 個人会員
3/17 A .K 様 10,000 個人会員
3/18 O .K 様 10,000 個人会員
3/18 H .J 様 10,000 個人会員
3/18 I .T 様 50,000 寄付
3/19 N .T 様 10,000 個人会員
3/19 B .T 様 10,000 個人会員
3/19 D .H 様 50,000 寄付
3/23 M .S 様 10,000 寄付
3/24 U .M 様 50,000 寄付
3/24 S .M 様 61,000 寄付
3/25 W .M 様 20,000 個人会員
3/26 Y .T 様 50,000 寄付
3/29 I .K 様 50,000 寄付
3/30 H .T 様 50,000 寄付
3/30 S .T 様 4,000 寄付
3/31 D .H 様 50,000 寄付
3/31 K .K 様 50,000 寄付
合計 985,000 円
誠に有難うございました。

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