言論の自由の名の下で「世紀の言論弾圧」 ― 「史実を世界に発信する会」 茂木 弘道

2010年2月1日 月曜日

一、 アメリカ占領軍(GHQ)は日本に自由と民主主義をもたらしたということになっている。GHQはそのように公言し、また歴史の教科書ではそう書かれているし、今もそれはマスコミの常識となっている。しかし、事実は違う。言論の自由をもたらしたなどと云うのは途方もない大ウソである。
二、 戦前の日本、とくに戦時中には検閲が行われ、言論の自由に一定の制限が課せられていたことは事実である。では、GHQはそれを撤廃し、自由な言論出版を許容したのかと云えば、全く違う。戦前の検閲では伏字(XXXなどと元の字を消している)により検閲が分るようになっていたが、GHQは事前検閲ですべて書き換えさせ「検閲している痕跡」を消し去るという徹底ぶりである。「プレスコード」というガイドラインをマスコミ、出版社に与え、戦争の擁護は勿論のこと、東京裁判の批判、何とソ連、中国、韓国の批判も許されないと云うひどさである。それでいながら、新聞などのマスコミは戦争が終わって言論が自由になったと云っていたし、いまでも云っているのだから情けない話である。
三、 GHQの言論弾圧はそれにとどまらなかった。戦前にはなかった私信の開封検閲を行ったばかりか、焚書(本を没収して焼く)を大規模に行ったのである。秦の始皇帝が焚書坑儒(儒者を穴埋)を行ったことが歴史上悪名をとどろかせているが、近代ではナチスの焚書が有名である。ところがGHQの焚書はナチスの焚書真っ青のその何十倍にも及ぶ大規模なものであった。何と戦前に出版された書籍七、七七六点を出版社、流通、書店、官公庁から没収したのである。1点千冊余りと少なく見積もっても、1千万冊近い本が没収されたのである。焚書と云っても実際には燃やされたものより、パルプにされたものが多かったが。
四、 名目は「宣伝用刊行物没収」ということになっているが、パンフレット類などではなく、れっきとした書籍であり、歴史、思想、哲学、宗教、経済、政治、法律、文学等々ほとんどあらゆるジャンルにわたるものである。武者小路實篤『大東亜戦争私観』といった直接戦争を扱ったものばかりではなく、中河與一『日本の理想』、里見岸雄『国体法の研究』、信夫淳平『不戦条約論』、など要するに日本の思想、歴史抹殺を狙いとするものであることが明らかである。西尾幹二先生はこの焚書問題を解明し実態を広く知らせるために、『GHQ焚書図書開封』(徳間書店)を出し、すでに第三巻まで刊行されている。「史実を世界に発信する会」では、この第一部を英訳し英文サイトに掲載すると同時に、世界のマスコミ、歴史学者等四千人余りにメールでこの案内を出した。本当はまずは日本人、日本のマスコミが認識すべきであるが、この不当なGHQの犯罪行為を海外に知らせることも欠かせないと考えている次第である。
(10.2)

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